
2026年度(令和8年度)を迎え、中小企業の皆様が事業拡大や効率化を目指す際、実務的な助けとなるのが「経営力向上計画」の認定制度です。この計画が認定されることで、税制、金融、法的支援といった多面的な優遇措置を受けることが可能になります。
本記事では、制度の仕組みと、活用の際に留意すべき実務上のポイントを整理して解説します。
経営力向上計画は、人材育成、コスト管理、設備投資などを通じて、自社の経営力を向上させるための行動計画です。申請書は、企業の概要、現状認識、目標、具体的な取組内容などを記載する3枚程度の構成であり、認定を受けやすい設計となっています。
「中小企業経営強化税制」は、認定された計画に基づき設備を新規取得して事業の用に供した場合に適用されます。以下のいずれかを選択できる点が実務上の大きな特徴です。
| 措置の内容 | 概要 |
|---|---|
| 即時償却 | 取得価額の全額を、取得した事業年度に一括して損金(経費)算入できる。 |
| 税額控除 | 取得価額の10%(資本金3,000万円超の法人は7%)を、法人税額から直接差し引く。 |
参考書籍:『経営力向上計画 中小企業投資促進税制・経営強化税制の実務』(橋本満男 著/大蔵財務協会)より引用・要約
参考書籍:『経営力向上計画 中小企業投資促進税制・経営強化税制の実務』(橋本満男 著/大蔵財務協会)より引用・要約
医療保健業を行う事業者が取得する医療機器などは原則として対象外ですが、調剤薬局は「小売業」に分類されるため、医療保健業を行う事業者には該当せず、本制度を利用できます。
計画で掲げた目標(労働生産性の伸び率等)が達成できなかったとしても、それをもって認定が取り消されることはありません。また、適用された税制措置の「取戻し規定」も存在しません。ただし、計画に従って事業が行われていない場合には認定が取り消されることがあります。
原則:計画の認定を受けてから設備を取得する
例外として、設備取得後であっても60日以内に申請書が受理(到達)されれば認められます。ただし、この場合でも、「当該事業年度内(決算日まで)」に計画の認定を完了させていなければ、その年度の税制措置を受けることはできません。
