
令和8年度税制改正大綱において、従業員への食事支給に係る非課税限度額が約40年ぶりに大幅引き上げされる予定です。
従業員からの食事の支給により受ける経済的利益について所得税が非課税とされる当該食事の支給に係る従業員の負担額の上限を月額7,500円(現行:月額3,500円)に引き上げる。
(出典:令和8年度税制改正大綱)
| 項目 | 現行 | 改正後 |
|---|---|---|
| 会社負担の非課税限度額 | 月額3,500円 | 月額7,500円 |
| 従業員負担要件 | 食事の価額の半分以上 | 変更なし |
現行の3,500円という基準は昭和59年(1984年)に設定されて以来、約40年間据え置かれてきました。今回の改正により、企業はより充実した食事補助を非課税で提供できるようになります。
役員や従業員に支給する食事は、以下の2つの要件をどちらも満たす場合に限り、給与として課税されません。
要件1: 役員や従業員が食事の価額の半分以上を負担していること
要件2: 次の金額が1か月当たり3,500円(消費税および地方消費税の額を除く)以下であること
(食事の価額)-(役員や従業員が負担している金額)
この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や従業員の負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。
①弁当などを購入して支給している場合
業者に支払う購入金額が食事の価額となります。
② 社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合
食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額が食事の価額となります。
※ 会社が社内の食堂や調理場等の施設を無償で使用させ、かつ、食事の材料等を提供している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額を食事の価額として差し支えありません。
外部業者が材料等の仕入れを行う場合でも、その外部業者が会社に請求する材料費その他の費用の内訳が適正かつ明確に区分されているときは同様の取扱いとなります。
非課税限度額(3,500円)以下であるかどうかの判定は、消費税および地方消費税の額を除いた金額をもって行います。その金額に10円未満の端数が生じた場合には、これを切り捨てます。
食事を支給するのではなく、現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり300円(消費税除く)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されます。
残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。
(出典:国税庁タックスアンサーNo.2594「食事を支給したとき」)
ここからは、『福利厚生・現物給与の税務』に掲載されている実務事例をもとに、現行の取扱いを解説します。
A. 従業員1人につき3,500円を負担しているということであれば、「食事の価額の半分以上を負担」(7,000円の半額は3,500円)という要件を満たします。また、会社負担が月額3,500円(7,000円 - 3,500円)であれば非課税限度額の要件も満たします。
したがって、この場合は非課税扱いとなります。
(出典:『福利厚生・現物給与の税務』大山一夫著、218頁)
A. 従業員の負担額が食事の価額の50%以上という条件を満たさなければ課税されます。
例えば、食事の価額が月額5,000円で、従業員負担が2,000円(40%)の場合、要件を満たさないため、会社負担の3,000円が給与として課税されます。
つまり、次の二つの要件をいずれも満たしていないと、経済的利益に該当してしまうこととされています。
① 食事の価額の50%以上を従業員が負担していること ② 従業員の負担額が、利用者1人につき月額3,500円以下であること
(出典:『福利厚生・現物給与の税務』大山一夫著、218-219頁)
□ 現在の食事の価額と従業員負担額を確認
□ 従業員負担率が50%以上になるよう設定
□ 給与計算システムの設定変更(3,500円→7,500円)
□ 就業規則・社内規程の改定
□ 従業員への周知
HIDAKI-KAIKEI 税務お役立ち情報
出典:令和8年度税制改正大綱、国税庁タックスアンサーNo.2594、『福利厚生・現物給与の税務』大山一夫著
