【インボイス】出張旅費等特例について超シンプル解説 税のお役立ち情報

 

会社が従業員等に支給する出張旅費等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額は帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能です。これを、インボイス制度における特例の中の、”出張旅費等特例”と良います。

インボイス制度において、まず、従業員等はインボイス発行事業者ではないため、会社は出張旅費等の従業員への支払についてインボイスの交付を受けられません。

ただ、”出張旅費等特例”の適用により、従業員等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして、『一定の事項を記載した帳簿』のみの保存で仕入税額控除が認められます消基通11-6-4)。

”出張旅費等特例”については、出張旅費等の支給方法が概算払によるものか、実費精算によるものかにかかわらず、通常必要であると認められる部分であれば、同特例の適用対象とされます(インボイスQ&A問107-2)。

なお、従業員等の出張の際に旅費規程に基づき日当を支給する場合(標準税率10%)において、その日当を飲食料品の購入(軽減税率8%)に充てることもあると思います。

例えば、従業員等の出張等に際し、会社がその出張等に必要な支出に充てるための日当を支給し、従業員等が軽減税率の適用対象となる飲食料品の購入に充てたとします。

その場合でも、会社は飲食料品の譲渡の対価として支出するものでないため、本支出は軽減税率の適用対象とならないことに留意が必要です

一方、会社が従業員等から受領した領収書等を基礎に精算するもの(実費精算)については、その支払の事実に基づき適用税率を判定することとなります(軽減税率Q&A個別事例編 問37)。

なお、実費精算分について、出張旅費等特例の対象となる限り、内部統制の観点から精算の基礎として従業員等から領収書等を受領する場合も、必ずしもインボイスである必要はない、という点もポイントです☝

 

消費税法基本通達11-6-4  通常必要であると認められる出張旅費、宿泊費、日当等

規則第15条の4第2号《請求書等の交付を受けることが困難な課税仕入れ》に規定する「その旅行に必要な支出に充てるために事業者がその使用人等又はその退職者等に対して支給する金品」とは、例えば、事業者が、使用人等(同号に規定する「使用人等」をいう。以下11-6-5までにおいて同じ。)又は退職者等(同号に規定する「退職者等」をいう。以下11-6-5までにおいて同じ。)が次に掲げる旅行をした場合に、使用人等又は退職者等に出張旅費、宿泊費、日当等として支給する金品がこれに該当するのであるが、同号に規定する課税仕入れは、当該金品のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分に係るものに限られることに留意する。