「中小企業投資促進税制」の適用対象となる機械及び装置又は工具は、1台又は1基の取得価額が160万円(工具は120万円)以上のものとされています。
では、この「1台又は1基」とは、具体的にはどこままでを含めて1個とした上で、金額基準を満たしているのかの判断すればいいのか、という疑問が出てくることがあります。
ここで、法令ではなく通達による定めですが、以下のように示されています。
(取得価額の判定単位) 措通42の6―2 措置法令第27条の6第3項第1号又は第2号に規定する機械及び装置又は工具の1台又は1基の取得価額が160万円以上又は120万円以上であるかどうかについては,通常一単位として取引される単位ごとに判定するのであるが,個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体になって使用するものがある場合には,これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。 |
したがって、上記通達の前半部分に記載しているように、この取得価額の判定に当たつては、通常1単位として取引される単位ごとに判定することを原則とします。
この、「通常1単位として取引される単位」については、少額資産等の判定について記載された通達を参考にします。
当該通達には、以下のように記載されています。
(少額の減価償却資産又は一括償却資産の取得価額の判定) 基通7―1―11 令第133条⦅少額の減価償却資産の取得価額の損金算入⦆又は令第133条の2⦅一括償却資産の損金算入⦆の規定を適用する場合において,取得価額が10万円未満又は20万円未満であるかどうかは,通常1単位として取引されるその単位,例えば,機械及び装置については1台又は1基ごとに,工具,器具及び備品については1個,1組又は1そろいごとに判定し,構築物のうち例えばまくら木,電柱等単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごとに判定する。 |
すなわち、「通常1単位として取引されるその単位」とは、機械及び装置については1台又は1基ごと、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごと、構築物のうち例えば取替資産の枕木、電柱等のように単体では機能を発揮できないもの、すなわち相当区間の線路設備、相当距離の送配電設備を構成して初めて事業の用に供し得るようなものについては、一の工事等ごとという考え方が採られています。
なお、ここでいう「単体では機能を発揮できないもの」の延長線上の問題として、例えば,高級レストランのカーテン、役員会議室の調度品等のように、二以上の器具、備品が一定の色調、デザイン等により統一的にレイアウトされ、全体として一の空間を演出するように設置されるものをどのように考えるのかという疑問がありますが、このようなものについても、同じく単体で判断するのは適当でなく、そのレイアウトされた一の空間ごとにその判断を行うことになるものと考えられます。
また、上記「取得価額の判定単位」後半部分の青字記載箇所の通り、例えば、個々の機械及び装置等の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器でその本体と一体になつて使用されるものがある場合には、これらの附属機器を含めたところでその取得価額が160万円以上又は120万円以上であるかどうかの判定を行うことができます。
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