【所得税】医療機関からの「紹介状」に係る文書料の医療費控除の取扱い 税のお役立ち情報

国税庁ホームページにおいて、12月15日「診療情報提供書に係る診療情報提供料の自己負担額の医療費控除の取扱いについて」(文書回答事例)が公表されました。
今回の事例では、紹介状作成料として健康保険が適用される文書料は、紹介先医療機関での治療に必要な費用として医療費控除の対象になる医療費に該当すると判断されました。

 

(前提の事実関係)

(1)A市民病院の救急外来を受診し、応急処置を受けた。

(2)A市民病院の救急外来においては応急処置が行わたが、担当の医師と相談の上、その後の治療を自宅近隣のB整形外科医院で受けることとした。

(3)B整形外科医院で受診するに当たって、A市民病院からそれまでの診療状況を示した本件紹介状の交付を受け、その発行に係る手数料としてA市民病院に本件文書料を支払った。 
 なお、本件文書料は、診療情報提供料として健康保険の適用の対象とされており、その自己負担額として支払ったものである。

(4)後日、B整形外科医院に本件紹介状を交付して本件に係る切創の治療を引き続き行った。

 

(医療費控除の対象となる理由)

医師等による診療等を受けるために直接必要な通院費や医師等の送迎費などの費用で、通常必要なものは、医療費に含まれるものとして取り扱われる(所得税基本通達73-3)。

いわゆる診断書などの作成に係る文書料については、医師が診療又は治療した内容等を記載した文書の発行に係る手数料であり、その発行された文書は、通常、生命保険会社等へ給付金等を請求する際の提出書類等として使用されることから、医師等の診療又は治療の対価に該当せず、医療費控除の対象にならないと考えられる。

しかしながら、本件文書料は、次の理由から、医療費控除の対象となる医療費に該当すると解される。

(1)本件紹介状は、その後の診療をB整形外科医院で継続して適切に受けることができるよう作成されたものであり、B整形外科医院での診療に当たりB整形外科医院に交付されたものであることからすれば、本件紹介状に係る本件文書料は、B整形外科医院による診療を受けるために直接必要な費用と考えられること。

(2)本件紹介状のような診療情報提供書による医療機関同士の連携は、医療機関間で通常行われる行為であり、その作成費用(=本件文書料)は、B整形外科医院での診療に当たって通常必要なものと考えられること。

(3)本件文書料は、診療情報提供料に該当するものであり、「保険医療機関が、診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要を認めた上で、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定」されるものであることからすれば、医師等による診療等の対価として、通常必要なものであり、その症状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額と考えられること。

 

※詳細につきましては、国税庁ホームページをご参照ください。

http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/shotoku/141201/index.htm

 

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