税務・会計トピックス

【民泊と税】民泊と固定資産税の関係について

民泊について、その宿泊料が所得税の対象になりますが、さらに注意したいのが固定資産税です。現行制度における民泊を行うことで、固定資産税の住宅用地の減額特例が受けられなくなることがあるようで、自治体によっては、民泊の営業許可等の情報を基に家屋の実態調査に着手しているとのことです。

 

住宅用地の減額特例は固定資産税の課税標準を6分の1にします

住宅用地に係る固定資産税については、一定の要件を満たすことで課税標準額を減額する特例(本特例)を受けられます。原則、住宅用地に係る固定資産税の課税標準額を「1/3」に減額、住宅用地が200㎡以下であれば“小規模住宅用地”として課税標準額が「1/6」に減額されます。

 

一般的には小規模住宅用地として「1/6」の減額を受けていることが多いです。

 

家屋を民泊に使うことで、住宅用地に該当しなくなることが…

本特例の対象となる土地はあくまでも“人の居住の用に供する家屋”の敷地とされています。

現行の民泊に使われる家屋は「人が宿泊・滞在するものだが,居住の用に供するものではない」という解釈により、本特例の対象となる住宅用地から外れるケースがあるようです。

 

ただ、例えば自宅の1階を民泊に、2階で自身が居住しているといったように、民泊に使う家屋の一部を居住用に使っている場合には、併用住宅等としてその居住部分の割合に応じて本特例の適用を受けられるのでしょう。

 

既に家屋の調査を実施する自治体も…

民泊を行うには、旅館業法等の許可等を申請する際に使用する設備や床面積に係る情報等を提供します。

こうした民泊の許可等に係る情報を基に、既に家屋の利用実態の調査している自治体もあります。家屋の調査により本特例の適用が受けられなくなることを実際に指導した事例もあるようです。

 

民泊新法の施行が固定資産税の取扱いに与える影響は?

民泊新法では、その対象となる民泊は,既存の旅館やホテルとは異なる「住宅」として扱い得るような一定の要件が付されることを前提に,住居専用地域でも実施可能とすることなどを想定しているようでした。

 

この点、民泊新法によって固定資産税の取扱いが変わる可能性があるとみる向きもありました。新法による民泊が旅館やホテルとは異なる「住宅」と位置付けられれば、固定資産税でも民泊を実施する家屋を「住宅」として、通常の居住用家屋と同様に本特例の適用が認められることが考えられるからです。

 

ただ,民泊新法の可決・成立時点では,民泊新法では,固定資産税の減額特例の対象外となることが想定されるとされています

 

 

民泊の固定資産税特例を巡り裁決例も出ています

 

民泊仲介サイトに登録されている物件について、京都市が住宅用地特例の適用を過去5年に遡って取り消し、裁決で棄却した事例も出ています(平成29年8月7日裁決)。

民泊における住宅用地特例の適用を巡る裁決としては、おそらく全国で初めてとされています。

 

民泊を行うことで住宅用地特例の適用が外れるケースが各地で起きている模様です。

 

自治体の実地調査のやり方

平成28年6月、京都市は本件家屋が民泊仲介サイトに登録されていることなどから、19年に開業し、継続して本件事業が営業されていることを確認。実地調査の結果,28年7月26日付け文書(「住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置の見直しについて」)を納税者に送付しました。同年10月17日,京都市は納税者に24年から28年度分までの固定資産税等について,住宅用地特例の適用の取消しを通知した。

 

● 「住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置の見直しについて」

調査により,当該土地上の家屋が民泊仲介サイトに登録された宿泊施設であることが判明したため,このまま家屋の一定割合以上を居住の用に供している事実がない限り,宿泊施設として利用されたときまで遡って,住宅用地に該当しないとして軽減措置の適用を廃止(税額を増額)する。

 

● 本件の状況(納税者の主張による)

本件家屋は平成18年までは「普通借家契約」で賃貸していたが,同年,家財道具を付けて短い期間を定めて貸す「定期借家契約」に変更した。

納税者は,本件家屋を今までどおりに貸している認識があったため,契約者には本件賃貸は不動産賃貸であり,旅館やホテル等の宿泊業ではないことを説明。1日又は1ヶ月の賃貸でも,その都度不動産賃貸借の契約書を交わしている。宿泊業ではないことが近隣にもわかるように,「貸家」であることを示した看板も掲げている。

納税者が区の保健センターへ行った際に定期賃貸を行っていると伝えたところ,名前等を聞かれ,その後,京都市から住宅用地特例の見直しの文書を受け取った。

 

利用実態で住宅用地の該当性が判断されます

本件家屋の敷地が住宅用地に当たるか否かが争点ですが、京都市は、住宅用地特例の適用について、契約書の形式に関わらず家屋の利用実態に応じて認定されると指摘しました。

そして、納税者は本件事業を始めた平成19年当時から、一貫して本件家屋を数週間から数ヶ月契約の貸家として利用しており、また、本件家屋に居住部分はなく一棟全部を貸家として使用していました。

 

このため,京都市が住宅用地の認定基準として定める「特定の者が継続的な居住の用に供する家屋」には該当せず、地方税法に定める「専ら人の居住の用に供する家屋」とは認められないとして、本件家屋の敷地は住宅用地特例の対象にならないとしました。

 

許可の有無に関わらず特例が受けられないことが

本件は、旅館業法の許可等を受けていなかったようですが、“Airbnb”を代表とする民泊仲介サイトの登録情報等から実地調査を経て住宅用地特例の取消しに至っています。

 

居住実態が認められれば一定の居住割合に応じて本特例の適用を受けられることになりますが、旅館業法の許可等を得ている場合、その物件をまずは“住宅”ではなく“宿泊施設”とみて、基本的に本特例の適用を外す対応をとるという自治体もあるようです。

 

また、民泊を行っている物件はやはり住宅ではないものとして,居住部分がなければ本特例の対象から外れるようです。

 

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